池袋シネマロサのレイトショーにて。

高校の時に、ビデオで見ていたのですが、
すっごく好きな作品なので、
スクリーンで見直したいなと思っていたのです。

ああ、もう、すんごくしあわせ。
こんな幸せな映画があるんだね。世の中には。

美人の双子姉妹が理想の恋人を探して、
歌い踊るっていうストーリー的には、
まったくゆるーいものなのですが、
そんな事はどうでもいいと思わせるはっぴい感。
しかも、突込みどころ満載。
(双子姉妹以外の登場人物の)
理想の恋人って言うのも、目が青いとか、
ブロンドであるとか、で、全然現実的じゃない!
(君は、ブロンドじゃないからダメだとか歌ってる!)
日本人には、黒い目、黒い髪の人しかいないから、
現実感がなく思うのかなァ?

だけど、好みのタイプは、ブロンドです。とか、
好みのタイプは、ブルーの瞳です。とかって、
ちょっと、幼稚だと思わない?

人を好きになるって、
そういうことじゃあないでしょう!
ま、いいや。

ドルレアック&ドヌーヴの美人姉妹は、
もちろんかわいい。
美しいブロンドで、輝くような白肌の
ドヌーヴは、まさに大輪の花だし、
ドルレアックは、引き立て役に徹しているけれど、
(しかも、そばかす描いてるし)
引きの画では、ドヌーヴよりもスクリーン映えしてる!
(アップでは、ドヌーヴの美しさにはかなわないけれど)

それでね、ドルレアックが恋に落ちる相手は、
往年のミュージカルの大スター、ジーン・ケリー!

ジーン・ケリーの作品は、今までに数本見ているけれど、
今まで、こんなにチャーミングな人だとは思わなかった。
高校生のわたしには、この作品のジーン・ケリーの
よさは、理解できなかったし。
その頃は、クールでニヒルな人が好きだったから。

もう、初老と呼ぶにふさわしい年齢の
ジーン・ケリーが、スクリーンに登場して、
あのひとなつっこい笑顔をくれただけで、
(雰囲気が、小日向文世さん激似)
なんかよく分らないけれど、
心から幸せな気分になって涙が出た。

登場するだけで、わたしを泣かせる人というのは、
今までにも多少はいたけれど、
ジーン・ケリーは、真打だね。

何かを乗り越えた人の優しさに溢れたすてきな笑顔。

辛いことがあっても、ぜんぶ帳消しにしてくれそうな
そんな安心感の得られる包容力に満ちた笑顔。

「ロシュフォールの恋人たち」は、傑作だ。
あんな笑顔を役者から引き出すことのできる
ジャック・ドゥミは、天才だ。

そして、いわゆる二枚ではないけれど、
一瞬で人の心をとろかす笑顔を持って生まれた
Mrファニー・フェイス、ジーン・ケリー。
あなたは、偉大だ!

ジーン・ケリーの笑顔を知らないなんて、
そんな人生、むなしいと思う。

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