1939年 松竹京都
高田浩吉、飯塚敏子

東京国立近代美術館フィルムセンター
「逝ける映画人を偲んで1998−2001(1)」にて。

ひゃー、おもしろかったあ。

って、それは、わたしが、サディスト女王で、
年下の男を竹の鞭でピチピチやりたいからではありません。

話は要約するとこうです。

三味線の若い女師匠は、29歳にもなるが未だに独身で浮いた噂ひとつもない。
(1939年の29歳というのは、大年増です)
弟子に若い男はいくらでもいるが、女師匠と結婚するということは、
すなわち、その父の名前を継ぐと言うことでもあり、
三味線の腕前もそぐわないとならない。

弟子の中に、17歳のどうにも使いものにならないのがいる。
見込みがないので、家に帰るように言うが、
女師匠に、執拗に個人レッスンを頼む。

はじめ、女師匠は、ダメだと断るが、
あまりに熱心なので、育てる決意をする。

女師匠と出来そこないの弟子の納戸でのプライベートレッスンが始まった。
その指導の仕方が、うまく出来ないと、
よくしなる手で平手打ち、竹の鞭で打つ。
などなど、なんとも、サディスティックで、
弟子の方は、もっとぶってください、
そうしてもらった方がいいんですという始末。

その特殊な教授法のせいか、
みるみる上達し、師匠も、弟子をかわいらしく思うようになる。

師匠には、もちろん縁談があるのだが、
弟子は、それをなんとか阻止しようとする。
(ここは、ちょっとかわいいと思う)

師匠に結婚されると困るんです、稽古が出来なくなってしまう。
え、じゃ、なんだい、わたしがおばさんになってしまって、
このまま、嫁にいけなくなっても良いというのかい?

師匠は、弟子が自分に気があるのをもちろん見抜いているので、
その真意をなんとか言い出させようとするんだけど、
これが、もー、痛快!最高!天晴!

高田浩吉の、ナヨナヨ、ジメジメ、メソメソ具合が、
妙に、当時の年上の女性をくすぐったのだろうか?
わたしには、ようわからん。
いくらなんでも、12歳も年下の男は、わたしは、ヤダ。
しかも、あんなナヨナヨ、ぐにゃぐにゃしてるマゾみたいな変なの。

それでも、この作品は、ユーモアのセンスが抜群で、
ほーんとうにおもしろかった。最高!

****

その後、舞台俳優時代の森雅之が、
映画の中の劇中劇に出ているレア作品「幸運の椅子」(1948年)
というオムニバス映画も見たのですが、
これが、すでに、森雅之してるので、
もう、おかしくておかしくて、笑っちゃいました。

やっぱり、森雅之は、こうでなくっちゃって言う見本みたいなもの。

森雅之とは、けっこう距離を置いて付き合っているのだけど、
腐れ縁なんだよね。見るとまたたまらなく好きになっちゃう。
例え、どんな変な役であろうとも。

森雅之は偉大だ。
森雅之とは、わたしにとって、宇宙である。
そんな感じ(笑)。

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