わたしがこの本を買ったのは、大学3年ぐらいのときだと思う。

買ってすぐ、それからも数度、この本を開くことはたびたびあった。
にもかかわらず、ためらう心が、ページを繰ることを許さなかった。

始めの一行目のブー−−ンという所を読むと、なぜか、気が遠くなって、
(それは、キューブリックの「2001年宇宙の旅」の、
あの宇宙圏内に突入するシーンに似ていて、
まるで、失神しそうになるのです)
それっきり、1ページもめくらないまま書棚へ。
というのを繰り返すこと、数回。

この本を何かの片手間に読むことを許せなかったというのもあるんだけど、
まあ、日本3大奇書のひとつとされるあまりに有名な本だから、
詳しい説明は省きますが、これを読むものは、一度は精神に異常をきたすといわれる云々
というのを、ちょっと本気で信じていたというか。
まあ、そういうことです。

で、読み終わったんですねー、やっと。
上巻は、話が滑り出すまで退屈ながら非常におもしろく、
さくさくと読み進めたのですが、
いざ、下巻に移ろうと思うと、気分転換をしたくなって、
軽めのエッセーやら、いわゆるJ文学やL文学など5冊も読んでしまった。

下巻に取り掛かると、また数ページ読んだだけで、
ぷっつりとページは繰られなくなった。

でも、読み終わったんだよー。

噂が先行しすぎていたためか、
はたまた先に映画(つまらないです)を見ていたためか、
(といっても、わたしは、木村威夫の美術を
目的に見たためそれ以外を全く覚えていない。
まあ、その程度のどーでもいい映画です)
なんだかなーっていう感じですね。
いや、もちろんわたしが全てを理解したわけではないから、
何も分かってない的外れな感想かも知れないけれど。

たしかに、前半の文体に隠されたトリックには、
興奮・感嘆して、これは、確かに恐るべき傑作だ。と、思ったんですねー。
(といっても、装丁に関わる部分なのだけど一ヶ所間違ってるんだよね。
もっと、完璧を期すべきですよ<角川書店)
後半は、説明過多で過多で、もう参りました。

















探偵推理小説でありながら、実際には、夢落ちだったていうのは、
ちょっと納得いかないですよねー。
まあ、一種のファンタジーでもあるのかもしれないけれど、
それにしても、夢落ちはひどい。ひどい。ひどい。
ひどいー。あまりにひどくて詐欺に会った気分だ。
発狂しそうだよ、とほほ。

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