私は、この世の中で森雅之ほどズルイ男はいないと思っている。

OLD邦画ファン以外には忘れ去られた邦画界一の二枚目俳優。

彼は、作家の有島武郎の息子で京都大学卒のおぼっちゃま。

ニヒルで頽廃的でキザで知性が煌いて官能的で妖しくて。

それに、森雅之は、とんでもない男でもある。
映画に出てくると必ず女をコマス。
コマさなければ森雅之ではないのだ。
こういう言い方をすると誤解を招くかもしれないけど、
多分、大体の女性は、森雅之にコマされたいと思っているはず。

私が森雅之と出会ったのは、
18歳の冬。
成瀬巳喜男の『浮雲』だった。

森雅之演じる富岡はいかにも人生を知らない
インテリ女子大生が恋に落ちるタイプのオジサマだ。

腐れ縁の男女のやるせない話。
ここでも森雅之は森雅之たる
アイデンティティを遺憾なく発揮し、
無責任な曖昧さで
自分に関わる全ての女を不幸にし
死に追いやった。

でも、多分その女たち、誰一人として
森雅之を恨んだりはしてなかっただろう。
森雅之みたいな男を愛したら身の破滅なのは目に見えていることだもの。
森雅之を愛する代償に命を捧げた。
それが本望とでも言うかのように。

かなりいがらっぽい独特の声
そしてチラッと肩越しにくれる流し目には
成熟した男の色気があって
恥ずかしくなってしまうほど

森雅之となら心中してみたい。
なんて18歳のときに知ってるおじさんに言ったら
笑ってたけど。
去年、その人が書いた20世紀の俳優総括の森雅之のところに
森雅之となら心中したいと言う女性多数って書いてあったのを見た。

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